予診くんについて 第二報

 チェックミーリング活用事例 ECGラボ

今回は、チェックミーリング(予診くん)を用いて、心房細動(持続性心房細動)を短時間で鑑別できることを検討しました。

心房細動の診断で最も難しいのが、症状のない患者さんをどのように検出するかという問題です。心房細動をもつ患者さんの約半数は自覚症状がないため心房細動という不整脈に気が付いていないという調査結果があります。このようなタイプを「無症候性」「隠れ心房細動」の心房細動といわれます。

無症候性(隠れ心房細動)の心房細動であったため放置してしまう結果となり、ある日脳梗塞を発症して初めて心房細動の存在が判明したというケースは少なくありません。無症候性の心房細動が健康診断や他の病気(風邪や高血圧症)で診察を受けた際に偶然発見されたというケースも相当数存在します。

無症候性の発作性心房細動の診断が容易でないことをご理解いただけたかと思います。一方、無症候性の心房細動を検出することの重要性について多くの専門家が指摘しています。

チェックミーリングは血中酸素飽和度が測定できるリング式の測定装置だが、脈波も同時に測定できて外部出力(Bluetooth通信)できる機能を合わせ持つ機能を利用して心房細動が簡単に測定できるか否かを検討しました。

 心房細動の特徴として、絶対不整脈といわれているようにR-R間隔(連結期が絶対不整)である。これを利用して、ローレンツプロットを用いてグラフ化しました。

これは、R-R(脈波)をチェックミーリングを用いて、ローレンツプロットした実記録です。点群のバラツキは呼吸性によるR-Rの変動として点群が分布するが、このことは交感神経・副交感神経(呼吸性洞性不整脈)の変化によるR-R変動(心電図上の心拍変化と同期)と思われる。このプロットがX=Y軸に対しR-Rの点群として確認できる。

 

佐々木嘉彦のプロフィール
臨床検査技師/臨床工学士
第2種ME技術実力検定試験合格
36年間医療機関で不整脈に携わる
現在、京都府左京区大原に在住
ECGラボの開発チームに参画