ローレンツプロットによる期外収縮、心房細動の判別ができないか、またその有用性について検討した。
「検証」
三栄メディシス株式会社製チェックミーリングを用いて心房細動、期外収縮を短時間で鑑別する簡便な方法を模索した。チェックミーリングは血中酸素飽和度が測定できるリング式の測定装置だが、脈波も同時に測定できて外部出力(Bluetooth通信)できる機能を合わせ持つ。
「結果」
ローレンツプロットでの心房細動、期外収縮の特徴として
1)心房細動はローレンツプロットでは扇形にプロットされ心房細動の特徴と考えた。
2)期外収縮はY=Xからわずかに右よりにずれて広がる点群に現れると考えられた。
上室期外収縮、他の期外収縮が混在する場合はローレンツプロット上は上記の構成要素の混在を識別することで判別できると考えられた。
しかし、ノイズの多い記録では心房細動と期外収縮の混在したものがあり、判別不能であった。
チェックミーリングはノイズキャンセラーを有効にすることで、明らかなノイズはカットすることができた。
チェックミーリングを使用することで短時間に判定できた。
比較的安定した不整脈の予備診断が視覚的に捉えることが出来るという利点があると考えられた。
症例が少ないので不整脈については正確な判断はできないが少なくとも心房細動と期外収縮の判断はチェックミーリングを使用することで鑑別が可能と考えられた。
ローレンツプロットは自律神経活動の関係は多くの報告がある。
しかし、不整脈の鑑別の予備検査としての報告は散見できない。
佐々木嘉彦のプロフィール 臨床検査技師/臨床工学士 第2種ME技術実力検定試験合格 36年間医療機関で不整脈に携わる 現在、京都府左京区大原に在住 ECGラボの開発チームに参画 |